この記事はこのように困っている人が見ています。
初回の患者様と何を話したらいいか分からない。
問診しても解釈が難しい。
身体を触るけど効果が出ない。
問診くらいやってるよ!!
と思ったあなた。
少し待ってください。
私は外来のリハビリで毎日たくさんの初回の人を施術します。
そこで、一番重要なのが問診です。
問診では患者様の病態・既往・生活習慣・環境などたくさんの情報が手に入ります。
どんなに良い治療をしても、ずっと猫背で座っていたら腰痛が再発します。
ここでは
- どんな事を聞いたらいいのか。
- 聞いた内容に対する解釈
- 患者教育の方法
が理解できます。
実際の症例
先輩!!
患者様の腰痛が治りません・・・
腰痛なんだね。
どんな人なの??
初回しか入ってないので、どんな人かわかりません。
今日は腰を中心に診てみました。
初回で必ず聞く事を一緒にまとめてみようか!!
しっかり問診できれば、患者様への説明も説得力があるよ。
問診の種類
問診ではたくさん聞くことがあります。
以下の内容はしっかり押さえておきましょう。
文章が多くなるため、気になる場所はメモしてください。
- 現病歴
- 既往歴
- その他
現病歴の確認
- 今、困っていることは何ですか??
疼痛や日常生活での困っていることを聞きます。
他にも、目標や趣味などを確認してゴール設定を患者様と共有します。 - いつから痛くなりましたか??
急性期の症状なのか、慢性期の症状なのかを確認します。
最優先はレッドフラッグの確認です。
レッドフラッグの場合はリハビリや整体ではなく、すぐに医者に行ってもらいましょう。
炎症が強い時期では、介入をすると炎症が再発する可能性があるため、痛い部位に積極的な施術はしません。
経過が長く、炎症の可能性があれば、組織を触っても問題ないと解釈します。 - どこが痛くなりましたか??
痛い部位を確認することで、痛みを発している組織の仮説を立てます。
この時、指一本で触っているのか。手のひら全体で触っているのか。これらも重要なポイントなので一緒に見てみましょう。 - なぜ痛くなったのですか??
きっかけがあれば、その受傷機転を確認しましょう。きっかけの姿勢や外傷が痛みを出現させる方向になることがあります。
きっかけなく痛みが出現した場合は、構造やモーターコントロールの破綻が考えられます。
他にも日常生活での不良姿勢や環境による問題の可能性もあります。 - どんなことをすると痛みが増えますか??
痛い部位が確認できているので、痛い組織にどんなストレスがかかっているのか仮説を立てます。
伸ばされているのか。圧縮しているのか。捻じれているのか。(以下、メカニカルストレス)
痛みのでる方向が分かれば、治療の方向性が決まってきます。。
他の関節や筋が動かないため、痛い組織が過剰に伸びたり、圧縮したり、捻じれるからです。 - どんな時が痛みが楽になりますか??
痛い組織の仮説がここで確認できます。
例えば、「腰が反ると痛い」と仮説を立てたら、「座っていると楽」と言われるはずです。
ここで立っていると楽。と言われた場合、仮説や痛みの原因組織を考え直す必要があります。 - 夜寝ていて痛みはありますか??
夜間痛がある場合、組織の炎症は浮腫による痛みが考えられます。
必要に応じてポジショニングの指導が必要になります。
腫瘍の可能性もあるため、頭の片隅に入れておきましょう。 - 今までどんな治療を受けましたか??
どんなアプローチを受けたら良くなった、悪くなったのかを確認します。
アプローチで良くも悪くも変わっていたら、痛みの出る組織とメカニカルストレスが理解できます。
ここで重要なのは、治療をして治った⇒再発した。ということは、アプローチの部分が根本ではない可能性があります。
しかし、治療のヒントにはなるので確認していおきましょう。 - 痛みが出て、経過はどうですか??
人間の身体には自然治癒があります。
経過が悪い場合、自然治癒で治らないほど身体を酷使しているのか。
経過が良いが治りが遅い場合、身体の中で上手く動いていない筋や関節がある可能性があります。
変化がない状態であれば、慢性期の可能性が高くなるため、姿勢・環境の確認や動作指導も必要になります。
既往歴の確認
- 今までに同じ症状はありましたか??
繰り返している場合、身体の動作パターンが破綻している可能性があります。
他にも、構造的な問題が長年続いている可能性があります。 - 今までケガや病気、手術はありますか??
大半の方が即答で「ないです」と言います。
しかし、ここでは念入りに聞きましょう。
捻挫や手術、交通事故によって筋膜や関節が捻じれている可能性があります。
最近の情報から、幼少期の情報まで確認できると仮説が立てやすくなります。
特に多いのは「盲腸の手術」「捻挫」「交通事故」はケガと思っていない人が多いため注意。
その他
- 今、他に治療している病気やケガはありますか??
リスク管理のために確認します。
特に循環器など運動に制限がある場合、注意が必要です。
医者に通っているけど、運動の制限は言われていない場合、主治医に確認するようにしています。 - どんな生活(仕事)ですか??
座り仕事なのか、立ち仕事なのか、力仕事なのかを確認します。
動作指導や、環境設定で改善する問題なのかを確認します。 - 何人暮らしですか??
患者様の家庭内の役割を確認します。
必要に応じて動作指導や環境設定を考えます。 - 趣味や習い事はありますか??
社会的な情報を確認します。
なにもしていない方で、体力の問題がある場合は活動量を上げなければいけません。
趣味や習い事で痛みが出る場合は、どんな動きなのか実際に確認します。
姿勢の確認
- 施術場所に移動する時の移動手段
歩いているのか。痛みがある歩行なのか。車いすなのか。
ここで、患者様の転倒リスクや症状の確認を確認します。 - 立ち座りの動作
スムーズに立ち上がれているか。両足をしっかり使っているか確認します。
特に下肢の術後では患側を使わない立ち方をするため、注意深く見ておきましょう。 - 座っている時の姿勢
座ることができるのか。どんな姿勢なのか。座って問診する時に痛みはありそうか確認します。
座ることが出来る場合、屈曲の方向に痛みは出にくい(人によるので、評価しますが)可能性があります。
座っていて立つ時に痛い場合は靭帯のクリープ現象の可能性があります。
立ち上がる時の屈曲相で痛みが出るのか伸展相で痛みが出るのかも確認します。 - 寝返りができるか
回旋の動きができるか確認します。
寝返り動作後の側臥位で痛みがある時は重力によって上方から下方に圧が加わっている可能性を考えます。 - 仰向けができるか
仰向けで寝れない人は胸郭、腰椎、股関節の伸展が制限されている可能性があります。
膝を立てて寝れる場合、腰椎や股関節の制限を考えます。
膝を立てても痛みが出現する場合は胸郭の制限を考えます。
まとめ
適切な問診をしてリスク管理や患者様の治療ができるように頑張りましょう!!
問診はたくさんの情報を確認できます。
慣れてくると問診だけで痛い組織を絞ることが出来ます。
問診⇒評価⇒治療⇒再評価の順番で施術できているかが重要です。
再評価しても症状が変わらない場合も諦めないでください。
必ず違う患者様に還元されます。
コメント