【有料級!!】治療の組み立て方

かずブログ

マッサージばかりしていて「このままの治療でいいのか。」と不安になっていませんか?
患者様に「なんで痛いの?」と聞かれて笑って誤魔化していませんか??
整体院を開いたけど、お客様の満足度が低い。

今回はそんな不安を解決できる方法をお伝えします。


この記事を読むことで、リハビリや整体での治療の考え方患者様に伝える時の説得力があがります。

今回の目標は
リハビリや整体で治療プログラムを考える時のコツや、組み立て方を理解すること。

目次の【超重要】の場所だけは必ず見て理解してください。

実際に起きた相談の事例

普段、リハビリの仕事をしていて、後輩からよく相談されます。

新人PT
新人PT

腰痛の人の痛みが強くて、歩行訓練が進みません!!

ぎっくり腰になって1週間だけど、廃用が進みそうで、、、

先輩PT
先輩PT

なるほどね。腰が痛くてリハビリが進まないのね。
ちなみに、腰のどこが痛いの??
普段どんなリハビリしているの??

新人PT
新人PT

リハビリでは、背筋が緊張しているので、腰のマッサージをしています!!

立っている時と、仰向けで寝ている時に、右の一点が痛いって言ってました!!

先輩PT
先輩PT

ちなみに、腰のなにが痛いの?
どんな刺激が入って痛いの??

新人PT
新人PT

、、、、???

(腰が痛いから筋肉に決まってるだろ)

先輩PT
先輩PT

なんで右だけ痛いんだろうね?
寝ている時も筋肉を使ってるの??

新人PT
新人PT

、、、、、。
分からないです。

皆さんはどうでしょうか??
痛い場所をすぐにマッサージしていないでしょうか??

リハビリの資格は国家資格です。
痛い場所をマッサージするくらいならば資格はいらないと私は思っています。
では、どのようにリハビリを組み立てていくのか説明していきます。

クリニカルリーズニング

急に難しい言葉がでてきましたね。

聞いたことがあるけど、説明できない人。
始めて聞いた人。

実際、私も学校では教わらなかったし、勉強していくうちに、この言葉を知りました。
少し簡単に説明していきます。

クリニカル(clinical)=臨床、客観的な、分析的な
リーズニング(reasoning)=論法、推理、推論

つまり、クリニカルリーズニングとは
臨床推論のことをいいます。


【超重要】臨床推論とは

先ほどの事例をもとに説明していきましょう。

新人PT
新人PT

リハビリでは、背筋が緊張しているので、腰のマッサージをしています!!

立っている時と、仰向けで寝ている時に、右の一点が痛いって言ってました!!

この言葉を聞いて、何を思い浮かべますか??

まずは腰にある組織を考えてみましょう。
皮膚、骨、靭帯、関節、筋肉、椎間板、神経などなど

こんなにたくさん組織があるのに、筋肉だけの治療でいいのでしょうか??

先輩PT
先輩PT

ちなみに、腰のなにが痛いの?
どんな刺激が入って痛いの??

ここで初めて、この言葉の意味が分かってくると思います。

なんの組織が痛いかわからなければ、治療や予後もわかりませんよね。

では、どのように分けていきましょうか。

皮膚が痛い時

外傷や術後の方であれば、早期は皮膚が痛い可能性はありますね。
では、皮膚が痛いと仮説を立てた場合はどのように考えたらいいでしょうか。

私の場合は、皮膚を少し寄せて、伸びないようにした状態で痛みの出る動作を再度行ってもらいます。

皮膚が痛い=皮膚が伸長されて痛みが出現している可能性があります。

つまり、皮膚に伸長する刺激を与えなければ痛くない。という仮説が立ちます。

皮膚運動学の参考書では、皮膚は動かしたい方向の動きと反対の動きをする。とあります。
つまり、皮膚の自由度がなければ、可動域制限や疼痛が起きる可能性があります。

骨が痛い時

受傷起点があるか。他に内科的な疾患がないか(悪性腫瘍など)によって変わってきます。
こちらの場合は画像初見や血液検査で医師と相談しながら行います。

骨折がないか、骨メタ(癌)がないか、脊椎炎などの可能性がないか。などです。
骨が痛い場合、リハビリで局所の介入が難しいところです。
私たちは骨の治癒は行えません。

逆に言うと、医師がリハビリをオーダーして、安静度がなく、画像や血液検査も問題ない場合は骨の痛みである可能性は低いと考えます。

画像診断や血液検査が難しい場合は叩打痛を確認します。
そこで痛みが出現するようであれば、画像や血液検査のできる病院を紹介します。

靭帯が痛い時

靭帯弱化とも言います。
簡単に言うと、靭帯が弱っている状態です。

靭帯性の痛みの場合は、
持続的な姿勢で疼痛が出現や増悪する。
姿勢を変えると、靭帯系組織の負荷が軽減するので、症状が軽減する。ことが特徴です。

これをクリープ現象といいます。
靭帯が痛い場合はすぐに症状が出ません。つまり問診で仮説を立てていく必要があります。

一般的に多いのは、デスクワークで不良姿勢のまま座りっぱなしの腰痛です。
これはクリープ現象による痛みの可能性が高いため、座り方を変えるか、立つ時間を増やすかなどの環境設定が大切になってきます。
そのため、動作指導をして1週間単位で症状を確認していきます。

クリープ現象の場合は、一度痛んでしまうと治るのに時間がかかる特徴があります。
患者様が
「座り方気を付けています!!」
と言いながら、リハビリ室で問診している時に猫背になっていることが多くみられるため、注意して観察してみましょう。

関節が痛い時

ここでいう関節は椎間関節です。

椎間関節での症状は関節の圧縮で症状が出ることが多いです。
つまり、伸展や側屈で症状がでます。
関節の場所に痛みが出現するため、ワンポイント(指一本)で痛みを示します。

関節の圧縮といっても、軟骨には神経がないため、痛みを感じません。
では、なにが痛みを発しているのでしょうか。
文献によって少し違うことが書いてありますが、多くは関節包のインピンジメントや滑膜の異常な伸長があげられます。

この仮説を立てた場合、私なら

痛みの出ている腰椎が伸展しないように、下から上に棘突起を押さえて伸展してもらいます。
例えば、L2/3の伸展が過剰に見られた場合、L2を下から上に持ち上げて伸展します。
これを行うことで、L2/3の伸展が起こりません。

これで痛みが軽減するのであれば、関節周囲に問題がありそうですね。

筋肉が痛い時

筋肉が痛い時は広い範囲で示すことがあります。

では、筋肉が痛い場合のメカニズムを確認しましょう。

筋肉の周りは層になっています。
表層から

皮膚 → 浅層の脂肪層 → 浅筋膜 → 深層の脂肪層 → 深筋膜 → 筋膜 → 筋肉

このように、たくさんの層があります。
では、神経はどこを通っているのでしょうか。

答えは脂肪層の間を通っています。

つまり、浅筋膜や深筋膜の滑走不全が起こることで、間に挟まっている神経が圧縮されて過度な伸長が起きます。
その結果、筋肉に通る神経の痛みが出現します。

この仮説の場合、筋膜リリースで滑走不全を改善させて、再評価を行います。
再評価で痛みの出る動きが楽になっていれば、滑走不全が原因と考えられます。

椎間板が痛い時

椎間板の特徴は、30~40代に多くみられます。
また、アスリートにもみられています。

椎間板の痛みは、椎間板の変性による血管や神経の侵入が原因で、炎症が起こり痛みが出現します。

痛みの出る動きとしては、中腰での作業・重いものを持ち上げる動作・長時間の座位など、椎間板内圧が上昇することで生じます。

椎間板内圧の上昇とは

脊柱の屈曲をすると、椎間関節の上方滑りが起こります。
簡単にいうと、椎骨の後ろ(棘突起)が上がって、前(椎体)が下がります。
椎間板は椎体の間に挟まっているため、屈曲すると椎間板が潰されて内圧が高まります。

逆に伸展や背臥位では棘突起が下がって、椎体が上に上がるため、症状は緩和します。

痛みの部位は脊柱の真ん中の一点を示すことが多くみられています。

この仮説の場合、前屈するときに棘突起を上から下に押して前屈の再評価を行います。
椎間関節の時と逆ですね。

これによって、椎間関節の上方滑りを制御して椎間板内圧の上昇を抑えることで症状が変化するか確認します。
症状が緩和すれば、椎間板の痛みによる可能性が高まります。

神経の痛みの場合 

神経が痛い場合の多くは、殿筋の皮神経が症状を出していることが多くみられます。

この場合、神経に伸長ストレスをかけると、再現痛が見られます。
神経の走行に爪でひっかくようにすると、神経が引っ張られて神経性の痛みが出現します。
簡単に言うと滑走不全が起きている状態です。

では、なぜ神経の滑走不全が起きているのでしょうか。

結論から言うと浅筋膜や深筋膜の伸張性低下が原因で起きています。

先ほど、筋肉の層の話をしました。
脂肪層に神経が通っている話はしましたね。
神経は引っ張られる動きが苦手です。
つまり、浅筋膜や深筋膜の硬さがあるため、神経が引っ張られて痛みがでます。

簡単に言うと、少し緩めの服を着ていると動きやすくて、ピチピチの服を着ていると動きにくいですね。
これが身体の中で起きている状態です。

そのため、治療対象は浅筋膜や深筋膜(一部の脂肪層)になります。
この滑走不全を改善させて、痛みのでる動きを再評価して痛みが改善すれば、皮神経の問題であるといえます。

まとめ


身体が痛い場合、必ず原因があります。
皮膚、骨、靭帯、関節、筋肉、椎間板、神経などなど。

まずは痛みの出ている原因組織を探してみましょう。
組織には得意な動きと苦手な動きがあります。
苦手な動きが続くことで痛みが生まれます。

まずは、痛い組織を断定できるようにしてみましょう。
断定できると、自信をもって患者様やお客様に伝えられます。

皆さんの臨床が少しでも楽しくなるように頑張って毎日少しずつ勉強していきましょう。

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